災害で住まいが甚大な被害を受けると、その衝撃から立ち直るのも困難な状況になります。
失われた資産への思いはもちろん、今後の生活をどう立て直していくべきか、多くの方が不安を感じることでしょう。
家屋の損壊は、単なる物理的な損失に留まらず、経済的な側面からも大きな影響を及ぼします。
まずは、被害を受けた際の資産評価や、公的な支援制度について正しく理解することが、再建への第一歩となります。
災害で家が壊れたら価値はどう評価される
損害額は時価で計算される
災害によって家屋などに損害が生じた場合、その価値は「損害を受けた時の直前におけるその資産の時価」を基に計算されます。
これは、建物や家財道具などが、被害を受ける直前まで持っていた市場での価値を指します。
保険金の請求や、後述する所得税の雑損控除を受ける際にも、この時価に基づいた損害額が基準となります。
雑損控除で所得税が軽減される
災害、盗難、横領などによって資産に損害を受けた場合、一定の要件を満たせば「雑損控除」として所得税の控除を受けることができます。
雑損控除の金額は、(1)損害金額と災害関連支出の合計額から保険金などを差し引き、さらに総所得金額等の10%を差し引いた額、または(2)災害関連支出から保険金などを差し引き、さらに5万円を差し引いた額、のうちいずれか多い方の金額となります。
つまり、損害額や、片付けにかかった費用などから受け取った保険金などを差し引いた純粋な負担額が、所得税から還付される形で軽減されるのです。
控除しきれない分は繰り越せる
雑損控除の適用により、その年の所得金額から控除しきれないほどの大きな損失が生じた場合でも、安心してください。
控除しきれなかった金額は、翌年以降3年間(※特定非常災害の場合は5年間)に繰り越して、将来の所得から控除することができます。
これにより、災害による経済的な負担を、長期にわたって軽減していくことが可能になります。

壊れた家の価値支援や証明はどうなる
罹災証明書で支援申請が可能
災害によって家屋が被害を受けた場合、その被害の程度を公的に証明するものとして「罹災証明書」があります。
この証明書は、市区町村が被害認定調査を行った上で発行されます。
罹災証明書は、被災者生活再建支援金や、住宅の応急修理支援など、様々な公的支援制度を利用する際に必要となるため、被害に遭われたら速やかに市区町村の窓口で申請することが重要です。
被災者生活再建支援金が支給される
住まいが全壊するなど、一定以上の被害を受けた世帯に対しては、「被災者生活再建支援法」に基づき「被災者生活再建支援金」が支給されます。
この支援金は、被害の程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」の合計額となります。
住宅の再建や補修、または当面の生活再建に役立てることができます。
住宅の応急修理支援が受けられる
半壊や大規模半壊など、住宅に被害を受けた場合、日常生活に不可欠な部分(居室、台所、トイレなど)について、応急的な修理の支援を受けることができます。
この支援は、一定の限度額内で、市区町村が修理業者に委託して行われるため、自己負担を抑えながら、速やかに生活の基盤を回復させる手助けとなります。
資力のない方が対象となる場合が多いですが、大規模半壊の場合は資力を問いません。
まとめ
災害で家屋が損壊した場合、その経済的価値は「時価」で評価され、被害額は所得税の「雑損控除」によって軽減される可能性があります。
控除しきれない金額は翌年以降に繰り越せるため、長期的な負担軽減につながります。
また、被害の状況を証明する「罹災証明書」を取得することで、被災者生活再建支援金や住宅の応急修理といった、国や自治体による様々な支援制度の申請が可能になります。
これらの制度を正しく理解し、活用することが、失われた生活を再建するための確かな一歩となるでしょう。


